筋トレ・ダイエットのために食事管理がしたいんだけど、PFCバランスって何なの?
PFCバランスは健康的な食事を目指すための指標です。
適切な食事管理は、トレーニングやダイエットをしている方にとって、とても重要なことです。もちろん健康的な生活を維持したい方にも、栄養バランスを考えて食事を摂ることは役立ちます。
そこで今回の記事では、食事管理の手段としてPFCバランスの考え方について詳しく解説していきます。
筋トレ・ダイエットに必要な摂取量と計算できるツールやアプリも紹介しているので、これを読めばすぐに取り組むことができますよ。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
PFCバランスとは?
PFCバランスとは、カロリーベースにした1日の摂取エネルギーの中で、「タンパク質・脂質・炭水化物」をどの程度含むかという割合を表した指標です。
人体に必要不可欠な栄養素のバランスを考えることで、健康的な食生活を目指すという考え方からきています。
PFCとはそれぞれの栄養素の英語名から頭文字をとって名付けられています。
栄養素 | エネルギー量(1gあたりのカロリー) |
---|---|
P=たんぱく質 | 4kcal/g |
F=脂質 | 9kcal/g |
C=炭水化物 | 4kcal/g |
同じ1gに含まれるエネルギー量はそれぞれ表のとおりです。
それでは、それぞれの栄養素について詳しく見ていきましょう!
Protein(タンパク質)
Protein(タンパク質)は水分の次に体内に多く含まれている栄養素です。
人間の体の15~20%はタンパク質でできています。
主に、筋肉、臓器、皮膚などの組織から、ホルモンや酵素などを作るのに必要な栄養素です。
タンパク質は20種類のアミノ酸が集まって作られるもので、その組み合わせによって複雑な人体の組織を作り上げています。
この20種類のアミノ酸のうち「必須アミノ酸」と呼ばれる9種類は体内で作れないため、食事によって摂取する必要があります。
肉や魚、卵、乳製品、豆類などにはタンパク質が豊富に含まれています。
Fat(脂質)
Fat(脂質)は細胞の組織やホルモンを構成する栄養素です。
体内では、主にエネルギー源として活用されます。
ダイエットでは敵視されやすい脂質ですが、毎日欠かすことなく摂るべき重要な栄養素です。
炭水化物やタンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーがあるのに対して、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを持ちます。
同じ量から倍以上のエネルギーが得られる、効率の良いエネルギー源なんですね。
オリーブオイルやココナッツオイル、ナッツ類やアボカドなどの食材からも良質な脂質を摂取できます。
Carbohydrate(炭水化物)
Carbohydrate(炭水化物)は糖質と食物繊維に分けられる栄養素で、1日のエネルギーのうち半数以上が炭水化物でまかなわれています。
糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを得られるため、普段の運動や脳が活動するのに必要不可欠な栄養素です。
糖質が含まれる食品の代表的なものにお米やイモ類、果実類などがあります。
糖質は消化管から吸収されるのに対し、食物繊維は消化されず大腸まで届けられます。
食物繊維は大腸まで届くことで便秘の予防や血糖値上昇の抑制、コレステロール濃度の低下といった働きをします。
野菜、豆類、キノコ類やこんにゃくなどに多く含まれる栄養素です。
PFCバランスの理想値と計算方法【健康を維持したい方向け】
PFCバランスの理想的な値はどのように計算するのでしょう?
健康的な生活を維持するために理想的なPFCバランスとして、厚生労働省が目安を定めています。
指標では、食事の総エネルギー摂取量に対して占めべき割合として以下のとおり挙げられています。
- P(タンパク質):13~20%
- F(脂質):20~30%
- C(炭水化物):50~65%
これらの構成比率を健康的な食事バランスの指標にできます。
指標はカロリー換算ですが、単純に食事量の割合としてイメージすると分かりやすいですね。
具体的な例を見ていきましょう。
1日に必要なエネルギー量は性別や運動量によって異なりますが、ここでは2,000kcalを例にします。
ある人の1日の総摂取カロリーが2,000kcalとし、健康を維持したい方向けのPFCバランスの計算は以下を仮定してみます。
- P(タンパク質):15%
- F(脂質):25%
- C(炭水化物):60%
2000kcal×0.15=300kcal
300kcal÷4kcal=75g
2000kcal×0.25=500kcal
500kcal÷9kcal≒55.5g
2000kcal×0.6=1200kcal
1200kcal÷4kcal=300g
総摂取カロリーからPFCバランスに基づく割合を計算し、それをそれぞれの栄養素のカロリーでわることでグラム数を算出しています。
つまり、2,000kcal分の食事でタンパク質を75g、脂質を55.5g、炭水化物を300g摂ることが、健康を維持するのに理想的なPFCバランスということになります。
また、他の参考数値として、1日に必要なタンパク質量は厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されています。
年齢、性別、妊娠中や授乳中で必要なタンパク質量は異なり、男性15~64歳の推奨量は65g/日、男性65歳以上は60g/日、女性15~17歳の推奨量は55g/日、女性18才以上は50g/日です。
これらの数値はあくまで指標なので、厳密に考えすぎず目安として知っておく程度でも問題ありません。
PFCバランスの理想値と計算方法【筋トレをしている人向け】
トレーニングで筋肉を鍛えることを目的に食事管理をする場合は、理想的なPFCバランスが変わってきます。
では、筋トレをしている人はどのようなPFCバランスが向いているのでしょうか?
全体のエネルギー量を増やしたうえで、筋肉を構成するタンパク質の摂取割合を増やすのが筋トレに効果的です。
筋肉を維持するためには、まず食事量を確保することが大切です。
具体的には、健康を維持するための総摂取カロリーが2,000kcalなら筋トレするには2,500kcalを摂取するというように食事量を増やします。
加えて、PFCバランスはタンパク質を増やして、炭水化物を減らした以下のような値が理想的です。
- P(タンパク質):25〜30%
- F(脂質):20~25%
- C(炭水化物):40~55%
これを踏まえて、それぞれの栄養素について摂取量を計算すると以下のようになります。
2500kcal×0.3=750kcal
750kcal÷4kcal=187.5g
2500kcal×0.2=500kcal
500kcal÷9kcal≒55.5g
2500kcal×0.5=1250kcal
1250kcal÷4kcal=312.5g
つまり、2,500kcal分の食事でタンパク質を187.5g、脂質を55.5g、炭水化物を312.5g摂ることが、筋力トレーニングをするのに理想的なPFCバランスということになります。
タンパク質が多く含まれる食品を中心にしっかり食事量を増やすことで、筋肉の回復が促されより強く成長してくれます。
PFCバランスの理想値と計算方法【ダイエットしたい人向け】
では、ダイエットしたい場合はどのように計算すればよいのでしょうか?
ダイエットを目的とした場合のPFCバランスについても解説していきます。
個人によって異なるのであくまで一般的な目安として考えてください!
ダイエットしている人が、これまでの総摂取カロリー2,000kcalから1,500kcalに抑える場合を例にして計算していきます。
ポイントは1日に摂取する炭水化物を抑える代わりに、タンパク質と脂質を多めに摂ることです。
理想的なPFCバランスは、このようになります。
- P(タンパク質):25%
- F(脂質):20〜35%
- C(炭水化物):40〜55%
1500kcal×0.3=450kcal
450kcal÷4kcal=112.5g
1500kcal×0.25=375kcal
375kcal÷9kcal≒41.6g
1500kcal×0.5=750kcal
750kcal÷4kcal=187.5g
つまり、1,500kcal分の食事でタンパク質を112.5g、脂質を41.6g、炭水化物を187.5g摂ることが、ダイエットするのに理想的なPFCバランスということになります。
しっかりと食事をとるためダイエットに必要な期間は3ヶ月以上と長期になりますが、健康的に痩せられます。
食事量を過剰に減らしたり、偏った栄養素しか摂らないような食事法では、健康に害を及ぼす危険があります。
ダイエット中は体重や体型の変化以外にも、自分の健康状態について特に注意しておきましょう。
PFCバランスを計算できるアプリおすすめ
PFCバランスはいちいち計算するのが大変そう…
便利なアプリやツールを使って管理するのがおすすめです!
続いてはPFCバランスを計算できるおすすめのアプリをご紹介します。自分で計算するのは大変ですが、アプリに任せると手軽に管理できます。
まずは無理せずに続けられるのが大切なので、いろいろなアプリを試してみてください。
特におすすめできる無料アプリを2つ紹介します!
①カロミル(アプリ)
カロミルは食事の写真を撮るだけでAIが自動で解析してくれるアプリです。写真以外にも食材で検索したり、コンビニや外食の市販品で検索することもできます。
自分が理想とするPFCバランスを自由に設定できるので、目的に合わせた食事管理ができます。
タンパク質・脂質・炭水化物以外にも、ビタミン類やミネラルなどの栄養素が表示されるので、全体的なバランスを管理したい方にもおすすめです。
無料で使えて、簡単に操作できるので、迷っている方はまずはこのアプリから使ってみるのが良さそうですね。
②あすけん(アプリ)
あすけんも、写真などで食事を登録することでPFCを計算できるアプリです。
食事の登録方法が多いのが特徴で、写真の自動解析のほかに、食料品のバーコードを読み込んだり、外食や市販品のデータを検索することもできます。
食事内容のほかに体重や体脂肪、その日の運動量やお通じ・生理、日記まで記録できます。
「ゆる糖質制限コース」や「妊娠・授乳期用あすママコース」などのコースを選ぶことで、自分に合ったPFCバランスを設定してくれます。
オールマイティなアプリなのでこれひとつで健康管理ができる点で、続けやすいのがメリットです。
無料で多機能なアプリなので、一度使ってみて操作性を確認してみてください!
PFCバランスを計算できるツールおすすめ (ブラウザ)
アプリのほかにもブラウザ上でPFCバランスを計算できるツールがあります。
おすすめはHeartinessです。
とてもシンプルなサイトで、必要項目を入力するだけでPFCを計算してくれます。
性別、体重、身長、年齢のほかに、普段の活動量の目安と増量、減量などの目的を入力するだけです。
入力結果に合わせて、基礎代謝量、基礎消費カロリー、接種可能カロリーとPFCバランスをグラムベースとカロリーベースで表示されます。
まずは目安量を知りたいという方や、具体的に体型に合わせて計算してみたいという方におすすめです。
1分で入力できるので、お試しにぴったりですよ!
PFCバランスの具体的な数値は目標に合わせて専門の方に質問する
ここまで解説してきたものはあくまで一般論であり、PFCバランスの具体的な数値は人によって異なります。
性別、体型、体質のほかにも、目標によっても目指すべき基準は変わってきます。
手軽に正確な答えを知るには、パーソナルトレーナーに聞くのがいちばん早いです。
ひとりひとりにあわせて、専門家が一般的な基準ではなく個人の事情や現状、目標との差など様々な点を考慮してくれます。
間違った知識で食事を管理すると、栄養が偏ってしまったり、せっかくの食事管理が逆効果になってしまうこともあります。
ぜひ一度は専門家に話を聞いてみてください。
Cielパーソナルジムではひとりひとりにトレーナーがつき、体質や目指している目標に合わせて最適なPFCバランスや食事管理方法を一緒に考えていきます。
話だけ聞いてみたいという方も、気軽に問い合わせてみてください!
Ciel(シエル)パーソナルジム
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- マタニティトレーニング
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まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、PFCバランスについて、計算方法や筋トレ・ダイエットに必要な摂取量、便利なツールやアプリを紹介してきました。
毎日なにげなく食べているものが、様々な栄養素として体を形作るのに役立っています。
目的に合わせて理想的な食事をとるために、わたしもPFCバランスを意識してみようと思います!
この記事がみなさんの食事管理に役立てばうれしいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。