「アミノ酸スコア100の食品って何がある?」
「アミノ酸スコアの計算方法は?」
「そもそも必須アミノ酸ってどんな働きがあるの?」
今回の記事ではこのような声にお答えしていきます。
三大栄養素のうちのひとつ、タンパク質はアミノ酸から構成された栄養素です。タンパク質を効率的に摂取するためには、このアミノ酸について知る必要があります。
そこで今回の記事では、食品に必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを評価するアミノ酸スコアについて解説します。
アミノ酸スコアが100の食品も紹介するので参考にしてください!
アミノ酸スコアとは?
アミノ酸スコアとは、食べ物のタンパク質に「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかどうかを表した指標です。
タンパク質1g当たりに含まれるべき量はアミノ酸の種類によって異なります。この基準量に対して実際にどれぐらいの量が含まれているかを100点満点で計算したものがアミノ酸スコアです。
一般的に動物性食品は、植物性食品に比べてアミノ酸スコアが高いものが多い傾向にあります。例えば卵はアミノ酸スコアが100で栄養バランスが理想的な食品のひとつです。また大豆は、植物性食品ですがアミノ酸スコアが高く、良質なタンパク質源と言えます。
タンパク質が豊富に含まれている食品として肉や魚が挙げられますが、これらは脂質も多く含んでいます。過度な食べ過ぎや偏った食事はかえって栄養バランスが崩れるので注意が必要です。
アミノ酸とタンパク質について
三大栄養素のひとつであるタンパク質は、多数のアミノ酸が鎖状に結合した構造をしています。およそ50個以下のアミノ酸が結合した比較的短い構造のものは、特に「ペプチド」と呼ばれます。
食べ物に含まれているタンパク質は、消化液や消化酵素によって分解されてペプチドとなり、最終的に単体のアミノ酸に分解され小腸から体内に吸収されます。
タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類。このうち体内で他の物質から作ることができない9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。残りの11種類は、必須アミノ酸を用いて体内で作ることができる「非必須アミノ酸」に分類されます。
必須アミノ酸は筋肉や体の組織を作るのに必要であり、食べ物から摂取しなければならない栄養素です。
アミノ酸スコアはこの必須アミノ酸が食品にバランス良く含まれているかを評価します。
- イソロイシン
- ロイシン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン(スレオニン)
- トリプトファン
- バリン
- ヒスチジン
- チロシン
- システイン
- アスパラギン酸
- アスパラギン
- セリン
- グルタミン酸
- グルタミン
- プロリン
- グリシン
- アラニン
- アルギニン
必須アミノ酸は食品から摂る必要があることを覚えておきましょう!
アミノ酸スコア100の食品は?
アミノ酸スコアが最高得点の100である食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
食品 | アミノ酸スコア |
---|---|
鶏卵(全卵生) | 100 |
牛肉 和牛もも 皮下脂肪なし 生 | 100 |
大豆 いり大豆 ⻩大豆 | 100 |
栄養価が高いとされる卵や、タンパク質が多く含まれる牛肉などがアミノ酸スコア100の食品です。
牛肉の他にも鶏肉、豚肉といった肉類や牛乳、チーズなどの乳製品、かつおや真アジなどの魚類もアミノ酸スコアが高い食品です。
また一般的に大豆として使われる、いり大豆や黄大豆もアミノ酸スコアが100で必須アミノ酸をしっかり摂れる食品です。
アミノ酸スコアの計算方法について
アミノ酸スコアはこのような式で求められます。
食品のタンパク質中の各アミノ酸量(mg/gタンパク質)÷
アミノ酸評定パターンの該当アミノ酸量(mg/gタンパク質)× 100
「アミノ酸評定パターン」は、必須アミノ酸それぞれで決められている基準量のこと。2007年に改定された国際機関のFAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)、UNU(国連大学)によって定義されています。
つまりこの計算式では基準値に対してどれだけ必須アミノ酸が含まれているかを表します。基準値を超える量が含まれている場合、そのアミノ酸については100と計算できます。
これを必須アミノ酸全てについて計算し、最も低い数値だったものをその食品のアミノ酸スコアとします。
アミノ酸スコアが100の食品は9種類の必須アミノ酸すべてで、基準値を満たす量を含んでいるという意味になります。
食品のタンパク質中の各アミノ酸量について
食品に含まれるタンパク質の中にどのアミノ酸がどれだけ含まれているかを知ることで、アミノ酸スコアを計算できます。
一般的な食品については、日本食品標準成分表(八訂)アミノ酸成分表が参考になります。エクセルにまとめてあり非常にわかりやすいので、自分で計算するのにも使えますよ。
アミノ酸評点パターンの該当アミノ酸量について
アミノ酸評定パターンの該当アミノ酸量はこちら。単位はmgです。
アミノ酸 | アミノ酸評点パターン | エクスプロージョンWPC100% ナチュラルホエイプロテイン |
---|---|---|
イソロイシン | 30 | 68 |
ロイシン | 59 | 116 |
リシン | 45 | 102 |
含硫アミノ酸 (メチオニン) | 22 | 48 |
芳香族アミノ酸 (フェニルアラニン) | 38 | 67 |
トレオニン (スレオニン) | 23 | 77 |
トリプトファン | 6 | 20 |
バリン | 39 | 63 |
ヒスチジン | 15 | 21 |
この表のアミノ酸評点パターンの数値を全て超える量が食品に含まれていたら、アミノ酸スコア100になります。
含硫アミノ酸は、硫黄を含むアミノ酸であり、必須アミノ酸のメチオニンと非必須アミノ酸のシステインで構成されています。芳香族アミノ酸はフェニルアラニン、トリプトファン、チロシンで構成されています。
実際にエクスプロージョンWPC100%ナチュラルホエイプロテインで該当アミノ酸量を比較したところ、全ての数値で超えており、アミノ酸スコア100といえます。
公式サイトに各アミノ酸が記載されており信頼できますね!
アミノ酸スコアが低いとどうなる?
食事のアミノ酸スコアが低くなると、どのような問題があるのでしょうか?
タンパク質は筋肉のみならず皮膚や組織など体全体を作るために必要な材料です。食品から摂取する必須アミノ酸が不足していると、体内で良質なタンパク質が作られなくなります。
また、アミノ酸は複数個繋がってタンパク質を形成するため、どれかひとつでも不足しているとその分タンパク質合成に悪影響が出ます。ほかの必須アミノ酸をどれだけ摂取していても、不足しているものがあれば意味がなくなるのも重要なポイントです。
最も不足している必須アミノ酸について計算した値がアミノ酸スコアになるのも、この理由からです。
プロテインのアミノ酸スコアについて
食事の補完としてタンパク質を摂取するためにプロテインを飲んでいる方も多いと思います。
プロテインはタンパク質を濃縮・分離した加工食品なので、原材料のアミノ酸スコアが高いものほど、プロテインのアミノ酸スコアも高くなります。一般的なホエイ・ソイプロテインは、基本的にアミノ酸スコアが100もしくは100に近いと考えられます。
また、原材料によって差はありますが、現在販売されているほとんどのプロテインは、20種類のアミノ酸が全て含まれています。さらに原料となった食品に含まれるアミノ酸以外にも栄養成分が少なからず含まれており、これらはカラダにとってプラスの働きをしてくれます。
例えば、ソイプロテインには女性ホルモン調節作用を持つ大豆インフラボンが含まれており、整腸作用や美肌効果が期待できます。
また、プロテインはアミノ酸サプリメントよりも精製過程が少ないため、製造コストが低く、価格が安い傾向にあります。毎日継続して飲むことで効果的に栄養素を補給できるため、続けやすいコスパは魅力的です。
アミノ酸スコアが100と明記されているプロテインは、こちらで紹介しているので参考にしてみてください!
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、アミノ酸スコアについて得点が高い食品や計算方法について解説してきました。必須アミノ酸がバランス良く摂取できるタンパク質は健康維持に欠かせません。
楽しく食事をしながらバランス良く栄養が摂れると良いですね。
正しい知識があれば効率的に、食事の栄養バランスが管理できますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました!